ミケ様
にゃんこ先生です。
梅雨明けませんね。
☆
六十四卦(大成卦)の成り立ちにはふたつの考え方があります。
ひとつは、八卦がふたつくっついてできたという伝統的な考え方です。
もうひとつは「加一倍法」によって一つの爻の上に一つづつ爻を積み重ねていってパターンのバリエーションを増やして、6つまで爻を乗せていったところで、64種類のバリエーションができたとする考え方です。
これも伝統だけど、比較的新しい考え方です。
☆
易システムでは、「どっち?」ということはあまり決めつけていません。
どっちもアリだと思います。
マスターマトリクスは、八卦ふたつの組み合わせという意味で、明らかに古い方の伝統に従った地図であるということができます。
八卦ふたつで大成卦ひとつが構成される。
この考え方は、八卦が緯度と経度のようになって、各大成卦が地図(マトリクス)上の座標点にも見えて、わかりやすいと思います。
記憶の便宜とも結びついています。
☆
八卦は自然物、および、その自然物に観てとることができる「性質」とも対応していて、これを「正象(せいしょう)」といいます。
正象は次のようになっています。
1:乾(ケン)→天(テン)
2:兌(ダ )→沢(タク)
3:離(リ )→火(カ)
4:震(シン)→雷(ライ)
5:巽(ソン)→風(フウ)
6:坎(カン)→水(スイ)
7:艮(ゴン)→山(サン、ザン)
8:坤(コン)→地(チ)
たとえば「豊(ホウ)」と名付けられた大成卦があります。
この卦の上卦は「震」、下卦は「離」です。
なので、その正象から、「雷火豊(ライカホウ)」といった具合に呼び習わされています。
この呼び方は日本オリジナルで、原文には「震上離下」とあるだけです。
「雷火豊」という言い方はありません。
上のリストにある数字は先天数ですが、易システムではコード番号と呼んでいて、「雷火豊」なら、「43:豊」といったり、単に「43」といったりします。
まさに「座標」です。
☆
シンプルで便利なので、易システムでも実用的には「大成卦=八卦×2」の図式がメインです。
だけどそれは、「加一倍法」による考え方を捨ててかかっているということではありません。
前回「ans005_008風神雷神」では、先天図から八卦×2でできた六十四卦を図示してみました(fig032 八卦×2でできた六十四卦)。
「加一倍法」で太極から両儀、四象、先天図(八卦)……と、敷衍して六十四卦を派生させると次のようになります。
手描きで一所懸命描いちゃったりして。
【fig033 加一倍法による伏羲六十四卦方位図】
加一倍法による観方で大事なのは、八卦から、唐突に六十四卦、つまり万物ができたんじゃなくて、この宇宙は、大きな陰と大きな陽のぶつかり合いでできていて、六十四卦はただそれを、より解像度をあげることで、より細かく、より詳しく、表現しているだけだってことを、イメージさせてくれるところだと思います。
そしてこの、大きな陰と大きな陽のぶつかり合いは、太古の昔に「起こった」こと……
なんかじゃなくて、
本日ただいま、リアルタイムに「今ここで」起こっている運動だということが大事なんだと思います。
絵だけではそこまでは判りませんが。
動かないので。
三次元時空内で観測される遺伝子や素粒子などの「あらわれ」、ボクやアナタ、トーチャン、カーチャン、ニーチャン、ネーチャン、独立して観える「個人」という「あらわれ」、共時性をふくむ、日々の出来事という「あらわれ」、来月の支払い(!)という「あらわれ」……
こういったもの、すべての「あらわれ」は、すべてこの、大きな陰と、大きな陽のぶつかり合いから「あらわれ」てるというワケです。
つまり、宇宙は自分で自分を「つつき回している」(「ans003_03音」参照)ということです。
で。
易という言語は、この様子すべてを記述している、と。
このあたりのことが、易が万物を占えるという理由と、ただただ占うだけじゃもったいないと、易システムが考える理由なわけです。
なんか、キレがいいから、今日はこのへんで。
じゃ、また。
★ことば
<伝統>
正象
★LINKS
→ミケさんの質問
→ans003_03音
→ans005_008風神雷神
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