ワードローブの必須品、白タンクトップが秋風のトレンドに仲間入り。ベーシックとは一線を画す、こだわり抜いた逸品を各メゾンが提案した。 プラダ(PRADA)は再燃中の三角プレートを胸もとに配したスポーティなタイプを発表。新クリエイティブ・ディレクターのマチュー・ブレイジーを迎えた ボッテガ ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)のタンクトップは、一見普通に見えるが、なんと素材は驚くほど薄いレザー製。先進的な発想力を打ち出した。

2.パフ素材やケープ風etc.、変化球系ブルゾン。

スポーティからエレガンスまで、どんなテイストにもフィットする頼れるブルゾン。オーソドックスなシルエットの次に新しいものを取り入れるならば、変化球系が狙い目だ。 ヴェルサーチェ(VERSACE)は、丸みを帯びたケープ風を発表。ボディコンシャスなセットアップと合わせ、ハイブリッドなナイトアウトスタイルを完成させた。 ロエベ(LOEWE)からは、レザー製のパフィーなアウターがお目見えした。シンプルでありながら大人の個性を放ち、いつもの装いにスパイスを加えてくれる。

3.セクシーだけじゃない、コーデの新たな鍵となる新コルセット。

コルセットが今、Z世代を中心に流行中だ。 TikTok内のハッシュタグ「#CorsetTok」は、現在56億回以上の総再生回数を誇り(4月12日時点)、それは ランウェイにまで影響を与えている。フェミニンな世界観とアスレチックな要素を融合させた ディオール(DIOR)は、コルセットをレースドレスの上にレイヤードし、ハイブリッドなMIXコーデを提案。一方、 アディダス(ADIDAS)との衝撃的なコラボを発表したのは、 グッチ(GUCCI)。アイコニックな3本線とメゾンのモノグラム柄をミックスしたコルセットは、今季の アイコンピースのひとつになるだろう。

4.マルチカラーニットで明るい気分を満喫。

来シーズンの ニットは、気分が明るくなるマルチカラーの主役級 デザインが注目株だ。その代表例が、90年代風の異なる柄を上下で合わせた シャネル(CHANEL)。淡いピンクやグレイのロゴを配したハイネックニット&ベストは、クリアなスパンコールを全面に配したのがポイント。 モリー ゴダード(MOLLY GODDARD)は、 シャイニーなスチールウール製のカラフルニットに、お得意のボリューミィなフリル スカートをオン。ビッグ×ビッグで、最大限のインパクトを狙った。

5.どこまでもリュクスに、長く。美しきロングスカート。

エレガントなロングスカートがカムバックの予感! タイトなウエストから優美に広がるAラインが特徴で、多くのメゾンは床を引きずるくらいのドラマティックな超マキシ丈を打ち出している。 マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)は、90年代当時を彷彿とさせるデニムのパッチワークでグランジ風にアレンジ。ミラープレートを連ねたチェーントップと合わせ、デニムを見事リュクスに昇華している。また、センシュアルな世界観を持つ サンローラン( SAINT LAURENT)は、テーラード ジャケットを羽織って、艶やかなシルクのロングスカートをハンサムに解釈した。

6.ギークなY2Kスタイルが進化!

Y2Kスタイルは、この秋冬も引き続きビッグトレンドの様子。しかし、今季はよりマチュアでウェアラブルなのが特徴だ。トレンドの立役者である ブルマリン(BLUMARINE)は、フリルやローライズ、大胆な肌見せといったY2Kイズムを残しつつ、全身をブラックでまとめることでクールにシフト。一方の ミュウミュウ(MIU MIU)は、ネイビーやレッドなどのノーブルなカラーパレットを起用。先シーズンから続く下着を見せるスーパーローライズスカートを、スポーティに取り入れた。

7.パワーショルダージャケットは、ワンピのように纏う。

大きければ、大きいほど正解! ビッグショルダージャケットが、次なるイットアウターだ。これまでにもオーバーサイズジャケットを次々と展開している デムナ・ヴァザリアによる バレンシアガ(BALENCIAGA)。吹雪のような演出の中ショーが行われた今季はさらにパワーアップし、力強い肩幅と全体的にボクシーなシルエットの逸品をドレスのように1枚でさらりと纏ったスタイリングが印象的だった。 アクネ ステュディオス(ACNE STUDIOS)もまた、ビッグジャケットを ワンピースのように着用。中にはオーバーサイズのリボンタイブラウスを忍ばせ、太めのサイハイブーツをコーディネートした。

8.どこまで見せる? ボディコンシャスなネイキッドドレス。

ナイトライフの復活とともに、ボディコンスタイルもリバイバル。中でも体をそのまま露出するシアー素材に注目だ。 コペルニ(COPERNI)では、 ベラ・ハディッドが纏ったホルターネックのブラックミニドレスが新鮮。ラメ入りのメッシュドレスは潔く1枚で着て、とびきり セクシーに。さらに、ヌーディな素材使いで知られる ロンドン発の ネンシ ドジャカ(NENSI DOJAKA)は、(当時)妊娠4ヶ月だったモデル、マギー・マウラーをランウェイに起用し、神秘的な女性の体の美しさをスパンコール付きのネイキッドドレスで強調した。

9.レザーは優美にフレッシュに。

フェミニニティが宿る、優美な美しさ。ハードな印象を拭うレザー使いが多方面で打ち出されている。例えば、ボディコンシャスなミニドレスを発表した エルメス(HERMÈS)は、フリル付きのブラウスやシアーストッキングとともにフレッシュなイメージを展開。 クロエ(CHLOÈ)はソフトなジャケットと膝下スカートで、エレガントにまとめ上げた。今季はフェティッシュでタフな女性像よりも、優しさを優先させるレザー使いが主流のようだ。

10. 眩しいオーラを放つ、ネオンカラースーツ。

ファッショニスタの定番となったカラースーツだが、新しい季節はネオンカラーにトライしてみよう。会場をピンクで埋め尽くした ヴァレンティノ(VALENTINO)からは、装いはもちろん、 バッグ、 シューズ、さらにはメイクまで、すべてフューシャピンクで統一したワンカラールックが。トーン違いを楽しむのではなく、あえて単色で揃えるスタイルが潔い。同じく、シャープなワンカラースーツを披露した アレキサンダー マックイーン( ALEXANDER McQUEEN)。眩しいネオンイエローは、パワフルでエネルギッシュなイメージ。デコルテをしっかりと見せて、少しセンシュアルな要素を加えるのがポイントだ。

Photos: Courtesy of Brand(Marc Jacobs), GoRunway.com(All Other Brands)Text: Ellie Pithers Adaptation: Sakurako Suzuki
From VOGUE.CO.UK